【資格者集団】
医師、看護師、薬剤師、診療放射線技師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士、栄養士、臨床工学技師などの国家資格者、医療事務や総務などの一般事務、施設整備者などが働いていますが、圧倒的に資格を保有する者が多く、資格者集団といえます。
職員のうち概ね半数程度が看護師であり、その他の職種でも女性が活躍していますので、職場に占める女性の割合が多いのも特徴です。
また、これら有資格者はその資格を活かして働ける場がたくさんありますので、転職をする人が多く、離職率が高い傾向にあります。
【専門性】
専門の資格を有し、さらに医療という人命を扱っていますので、どの職種の方も職業意識が高い方が多いです。また、一般的な知識を備え、常識的な判断をする人が多い傾向にあります。
職員も昔と違い、「医療機関はサービス業」という認識で働く人が増え、昨今の診療報酬の引き下げ等で収益が厳しい状況にありますので、経営的な視点をもって自ら業務のあり方、接遇やサービス提供の仕方などを真剣に検討し取り組んでいます。
しかしながら、労務の面から医療機関を見た場合は、職員に対し適切な取り扱いができていない医療機関や、バランスの取れた管理に欠ける医療機関が多いように思います。
【看護師不足】
看護師の確保は、医療機関最大の課題といっても過言ではありません。看護師の新卒者の多くは、比較的大きな規模の病院に最初は就職し、その後3年前後で離職、結婚・出産を理由に家庭に入り、または転職する方が多いです。診療所や小規模の病院は新卒者を採用できることが少ないため、転職者や子育てがひと段落した看護師を中途採用するもが一般的です。看護師の資格を持ちながらも働いていない方を「潜在看護師」といい、かなりの数いますが、働く環境が整っていないという理由などで医療の現場では足りておらず、看護師の確保は医療機関にとって極めて深刻な問題です。最近は人材紹介会社を経由しての採用が多少増えてきているようですが、まだまだ十分な状況とはいえません。
その他、薬剤師や作業療法士などの職種についても看護師と同様に不足している状況です。
【超多忙である】
診療報酬制度において報酬点数を得るために求められる報酬算定条件がかなり増えてきているようです。患者への十分な説明が求められたり、文書の作成・交付義務などで以前に比べ相当な業務量になっています。さらに、最近増えている医療訴訟を回避するためにいろいろな対策を講じ、また、非常に神経を使うため、かなりの時間と労力を取られています。そのため、医師に限らず、看護師や事務職も非常に多忙な状態です。
看護師など職員が十分に足りていない状態が多忙に拍車をかけ、超多忙になっています。
【コミュニケーションの不足】
医療機関においてコミュニケーションは非常に大切ですが、実際のところ十分にできていない医療機関が多いように思います。専門職の集団であるがゆえに、他部門に対する遠慮や、自分とは無関係という考え方、他の職員との競争意識など、コミュニケーション上の問題により業務がスムーズに進まないケースが見受けられます。
クリニックなど少人数の職場でも、職員間の調整が苦手で職員と距離をおいてしまう院長先生もいらっしゃいます。