1.職員に自律的に動いてもらうには
「指示されたことはしっかりやるが、自分で考えて動こうとしない職員が多い」というお話しを伺うことがあります。
立ち止まって考えてみると、
・職員さんが勝手にやって良いのか分からず、委縮している
・院長や師長などが細かく口を出しすぎている
もしかしたら、思い当たることがあるのではないでしょうか。
「このことについては、私は何も言わないので、考えてやってみなさい」と、職員さんに権限と責任を付与すると自律的に動いてもらえることが多いようです。
例えば、何かの委員会を立ち上げ、権限と費用を与えて取り組ませることで、適度な自律性を備えた職員さんに育ったという成功例もあります。
2.職員の派閥をなくすには
職員数名の小規模クリニックでも、仲の良い職員のグループができ、対立するような状態になっていることがあります。
なぜ少人数でもこのような状態になるのでしょうか。
原因のひとつとして、「他人のことを話す」ことで誤解が生まれ、関係が悪化するということがあるようです。
他人のことを話すのが好きな人が多い職場ほど、このような傾向があるのではないでしょうか。
「他の職員の話をしてはいけません」というのは無理なので、人の話ではなく、別の話をするような取り組みをクリニックで行うことをおすすめしたいと思います。
一般的に人は、「自分が好きなこと」、「夢中になっていること」の話をしたいと思いますので、職員さんに何か趣味を持ってもらうような取り組みをクリニックで行うこともひとつです。
例えば、クリニックで趣味を持つことを奨励し、少額の趣味費用を補助するなどの取り組みは、長期的には院内の派閥解消に役立つのではないでしょうか。
3.責任の所在を明確に
患者さんから、「スリッパが汚いよ」という指摘を受けた場合、特に誰の責任でもなく、クリニックの責任として受け止められてしまえば、そのまま忘れ去られてしまうでしょう。
患者さんが当院のために言ってくれたこの一言は、しっかり受け止め、改善に活かされるべきです。
ショッピングセンターや飲食店のトイレを見てみると、何時誰が掃除を担当したのか、一目でわかるようになっています。これは例ですが、責任の所在を明確にすることが、職員の自主性を育てることになります。
名札の名前を裏返したり、見えにくくしている方など稀に見られますが、名前をはっきりと大きな字で分かるように表記することも、責任を自覚してもらう上では大切なことといえるでしょう。
4.職員の家族に診察を受けてもらう
職員の家族が多く受診する医療機関は、勤務先に対して誇りを持っている職員さんが多いと思います。
職員の家族がほとんど受診しない医療機関は、まずは家族が来てくれるような工夫をしてみるのも良いと思います。
家族が受診することで、勤務先に誇りが持てるということもあるからです。
例えば、家族は2ポイント、友人や知人は1ポイントといった形でポイント化して、スタンプカードを作り、ポイントがたまれば、家族や友人と一緒に楽しめるようなものをプレゼントするといった取り組みも面白いと思います。
5.電話を減らす工夫
受付の方は、患者の窓口対応が多いときに、たくさんの電話がかかってくることでイライラすることがあると思います。
電話の中で、「今待ち時間はどれくらいですか」というものを無くすだけでも、少なからず電話は減るのではないでしょうか。
最近では、ホームページで今の待ち時間を案内している医療機関があります。このサービスによって、患者の電話が減り、その時間を患者に向けられるようになったというお話しを聞くことがあります。
1か月間の予約状況を30分刻みで、「余裕あり」・「混雑」といった形で確認できるシステムもあるようです。