医療機関・福祉施設においては、特に次の3つのことが重要になります。
しかし、この3つを十分にできている医療機関・施設はごく少数です。
次の3つをしっかりと押さえれば、人事労務のトラブルはそうそう起こるものではありません。
ぜひ、ご参考にしていただければと思います。
1.採用時と採用直後の管理を徹底する
採用面接においては、マイナスとして考えられる部分についてもしっかりと伝えることが大切です。
マイナスの部分を聞いても、就職して頑張りたいという方を職員として迎えるべきでしょう。
お互いに納得したところで、就職が決まります。
そして、就職した後も大切な期間です。
「試用期間を必ず設けること」、「試用期間を有効に使うこと」が求められます。
試用期間では、試用期間専用の雇用契約書を結び、「本採用になるための基準」を明確に示すことが大切です。
この基準を満たさない場合は、試用期間満了とともに退職していただくことをはっきりと伝えることです。
最初から問題職員を採用しないことが一番ですが、それは不可能な部分があります。
それならば、採用時・採用直後にこのような取り組みを行うことで、問題職員を正式雇用しない管理を徹底することが、医療機関・施設ができることなのです。
2.就業規則や規程を整備する
医療機関・施設では、かなり昔に作った就業規則がそのままになっていたり、労働基準監督署のモデル就業規則をそのまま使っているケースがあります。
中には、どこかの業者さんが持ってきたものもあり、いざトラブルが起こったとき、全く使い物にならないことがあります。
就業規則には、職員が守るべきことを具体的に記載し、そのことを職員さんが知っているという状態にすることが不可欠です。
そして、そのような行為は、懲戒事由に該当することを示すことが、労務管理には必要になります。
就業規則は、問題行動があったときの対処だけではなく、問題行動を未然に防ぐ抑止力としての機能も持ちます。
医療機関専用の就業規則であり、かつリスク管理型の就業規則を作成できる、専門の社会保険労務士と一緒に作成することをぜひおすすめしたいと思います。
3.管理者の教育
たとえば、好きな職員・嫌いな職員によって対応が違うようでは、管理者として失格です。
職業倫理や仕事に対する姿勢を、部下に均等に、正しく伝える能力が求められます。
また、問題職員がいる場合、その問題行動をすべて記録することは、管理者としてすべき重要な役割りです。
万一解雇のトラブルになった場合には、そのような記録が医療機関に有利に働くことがあるからです。
管理者教育としては、部下の指導方法や労働基準法の理解など、すべきことはたくさんあります。
幣事務所では、医療機関・施設がすべきことの提案を行っています。
労務管理の見直しのためにも、ぜひご相談くだされば幸いです。